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世界遺産 どうなっての?


以下は 「世界遺産登録に関する住民説明会」での質疑応答の記録です
主催:斜里町、説明者:斜里町役場環境保全課、自然保護係長(当時)
開催:平成11年10月、場所:斜里町ウトロ

【住民質問】世界遺産になると観光や漁業など、地元にどのような影響があるのか?
      規制がかけられるなど観光や漁業への影響はないのか?
【斜里町】規制は何もありません。世界遺産になったからといって特に何も変わることはありません。
     強いて言えば観光客が増えることくらいでしょう。

【住民質問】知床国立公園の、現在、および世界遺産登録後の具体的な管理計画・将来計画をお聞かせくだ
      さい。
【斜里町】ビジョンみたいなものはありますが、具体的な計画はありません。

【住民質問】世界遺産に登録する目的は?
【斜里町】特に目的はありません。

【住民質問】世界遺産登録には、定められている要件のうちの少なくとも1つを満たしている必要があると
      思いますが、知床はこれら要件のうちのどの要件に合致しているのですか?
【斜里町】分かりません。

【住民質問】知床国立公園は海も山もゴミだらけで、ドラムカンやビールケース、廃車まで落ちている。
      また、上陸禁止の知床岬突端はキャンプ場と化し、焚き火跡やゴミが散乱している。
      また、移動販売車が国立公園内での違法営業を続けている。等々これらの問題は何年も前から
      改善が要望されているが未だに解決されていません。
      また、知床の公衆トイレは観光客から「秘境」といわれるほどのお粗末さで、観光受け入れ体
      制も整備されていない。
      世界遺産に立候補する前に先ずこれらの問題をきちんと改善すべきではないのか?
【斜里町】これらの問題は、世界遺産になれば改善されていくのではないかと思います。

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斜里町が世界遺産登録に向けて、具体的に予算をとって動き出したのは平成9年から。
しかし、準備段階としては既に平成4年頃から動いていました。
平成11年にやっと住民への説明が行われたのですが、そのときの説明は以上のとおりでした。

今になって思えば、このときに行政が本当のことを説明してくれていれば、住民の心の準備もある程度はできていたはずで、ぎりぎりになって混乱をすることもなかったのではないかと思われます。

斜里町はなぜ住民に本当のことを言わなかったのか、残念です。